11月13日放送の「健康カプセル!ゲンキの時間」
新時代の糖尿病対策!「食べて血糖値コントロール」のすすめ、と題して新しい血糖値対策方法が放送されました。
糖尿病というと、食事制限が中心的な対策になると考えていましたが、食べて対策をするという意外な方法をご紹介します。
縄文時代~弥生時代の食生活
原始時代には食料が少なく安定していなかったため、人間の身体は本能的に飢餓に備えるためのホルモンを持つようになりました。つまり、少ない食料から多くのエネルギーや糖を体内に溜め込むシステムが備わったのです。
1万年以上前の縄文時代の食事は、現代のような米はなく、鶏肉などのたんぱく質を中心とする食事でした。
そして、2300年前の弥生時代の食事は、玄米、イワシ、ゴボウを煮たもの。農耕が始まり米を作るようになったことで、日本の食文化に革命が起きました。穀物の摂取量が徐々に増加し、穀物の主成分である糖質の摂取量が増えたのです。
その結果、インスリンと言う、すい臓から分泌される血糖値を下げるための唯一のホルモンは、縄文時代よりも、米を食べ始めた弥生時代の方が必要性が増えたのです。
食物繊維を摂取して腸内細菌を整える
糖尿病の対策のためには、糖を分解するインスリンをタイムリーに少量でも分泌することが重要。そのインスリンを適切に出すスイッチが、小腸や大腸の下の方にあるというのです。
腸内には善玉菌・悪玉菌・中立菌が生息していますが、現代の食生活では悪玉菌が増えがちになってしまいます。食物繊維をしっかりと摂取することで、
- 食事の最初に食物繊維を食べると、血糖値の上昇が緩やかになる
- よく噛むと満腹感が得られ、食べすぎを防げる
- さらには、インスリン分泌を促すスイッチを押してくれる
という効果がある。そして、重要なのは食べる量だ。
厚生労働省発表の1日の野菜摂取目標量は350gだが、それだと食物繊維が不足するため、キノコや海草類を増やして食物繊維を1日20g摂取することが重要なのです。
すい臓がんの発見が難しい理由
糖尿病と深く関わる臓器であるすい臓は、胃の後ろ側にあります。
すい臓がんは発見が遅れがちで、非常に治りにくいガンであると言われています。発見が遅れる理由の一つに、ガン検査で利用する超音波は、空気を伝わりにくい性質を持ち、胃の中の空気が超音波を邪魔するため、胃の後ろにあるすい臓のガンは発見しにくい、という理由なのです。
超音波検査の前にミルクティを1杯のむことで、胃の空気がなくなりすい臓まで超音波が届くようになるからです。
ガンのステージ0、1という初期段階では、すい臓がんの発見率はたったの2%なのだが、大阪府立成人病センターのミルクティー利用検査では50-60%程度まで発見率が上がっているという実績もある。
最近ではiPS細胞を利用したすい臓の再生医療も東京大学で研究されているようです。血糖値の高いサルへの実証実験では糖を下げるという成果を挙げているとのこと。
医療の進歩に期待しつつも、食生活には注意が必要ということですね。
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