旭化成建材の”杭打ちショック!”全国3000棟を徹底調査へ(横浜マンション傾き問題)

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10月14日(水)に発表されて以来、連日テレビを賑わせている横浜マンション問題。

しかし、報道内容を知れば知るほど、建築業界の闇が見えてくるような気がする。とある建設業界の専門家はTVで次のように説明していた。

建設業界においては、仕事を出す側が圧倒的に強く、下請け業者はとても弱い立場にある。そのため、下請け業者に起因する、工期の遅れやコスト上昇は、次の仕事受注への不安につながる事も多いため、下請け業者の中で吸収しようと努力するものだ。

今回、施工主の三井住友建設の2次下請け(孫請け)であった旭化成建材が、基礎工事前の地盤強度チェックを怠り、一部調査したデータを転用、改ざんした。その結果、強固な支持層まで杭が届かず、マンションが傾いてしまった。

当時、データの改ざんには、現場のベテラン担当者が関わっていたことまで分かっているが、現場で工期の遅れやコスト上昇要因を吸収しようとした結果、意図した改ざんが行われた可能性があるのだ。

そのような業界の闇や背景を踏まえれば、今回の事件は、ほんの序章ということもあり得るのではないだろうか。すなわち、旭化成建材のみではなく、調査を拡大すれば、日本の建築業界全体へも波及してしまうのではないだろうかと、個人的には危惧をしている。

 

「福山ショック」の余韻の後は「杭打ちショック」

10月14日、15日と2日連続で「パークシティーLaLa横浜」の住民向け説明会が行われた。14日は夜7時から深夜まで怒号の飛び交う中で行われ、事態の収拾のため15日には、販売主である三井不動産レジデンシャルの藤林清隆社長も出席の上、住民に謝罪し、以下のように説明した。

「皆さんの同意があった場合には、私どもとして全棟建替の枠組みを持っている」

合意と時間があれば、傾いた問題の1棟のみではなく、残りの3棟についても建替を想定しているという趣旨の発言だ。ただし、この場合、全額補償を発表している旭化成建材の負担となるのか、一部は三井不動産も負担するのか、そのあたりがはっきりしないため、明日以降も両者の株価は報道次第で大きく動くであろう。

「杭打ちショック」は、過去10年間に旭化成建材が杭工事に携わった、商業施設やマンションなどあわせ、合計3000棟の徹底調査ということで始まる事が決定された。そこで更なる不良建物が発見された場合、「杭打ちショック」が日本全体の景気にすら影を落とす可能性もあるのではないだろうか。

「福山ショック」は、福山さんと吹石さんの結婚から3週間目を迎え、だいぶ薄まってきたが、「杭打ちショック」はもうしばらく糸を引きそうだ。注目しつつ見守りたいと思う。

 

事件公表の経緯や、類似した過去の不良マンションでの補償対応内容について興味のある方は、こちらの記事を。

旭化成建材がくい打ち施工をした物件3040件の所在地と概要はこちらから

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