8月22日に開幕した世界陸上2015。
会場は北京オリンピックの舞台となったスタジアム(通称・鳥の巣)だ。
男子100m・200mでデッドヒートを繰り広げた、ウサイン・ボルト(29歳・ジャマイカ)とジャスティン・ガトリン(33歳・アメリカ)。
100m・200mでは、ボルトが金メダルを獲得した。
本日8月29日、この2人が最後の戦いとして、男子4×100mリレーで熱戦を繰り広げた。
決勝の結果とレース動画
ここ数年、リレーでアメリカを圧倒してきたジャマイカは4レーン、アメリカは6レーンでの出走となった。注目のボルトはアンカー、ガトリンは2走となった。
また、予選で37秒92の好タイムを出した中国が、1987年のローマ大会以来、約30年ぶりとなる世界陸上の決勝の舞台に登場した。
そして、たった40秒の夢のレースは終わった。
- 1位:ジャマイカ(37秒36)
- 2位:中国(38秒01)
- 3位:カナダ(38秒13)
序盤はガトリンの好走もあり、アメリカがリードするも、3走(ゲイ)⇒4走(ロジャース)のバトンパスで致命的なミス。そして、その横でボルトが快走し、ジャマイカに軍配が上がった。
アメリカは、37秒77の2着でゴールするも、レースの10分後に失格が言い渡され、中国、カナダが繰り上げの銀、銅メダルとなった。アメリカ失格の理由は、3走から4走へのバトンパス時のオーバーゾーンであったようだ。
2012年のロンドンオリンピックでボルト擁するジャマイカがたたき出した「36秒84」の世界記録更新とはならなかったものの、ボルトが自身通算11個目の金メダルを獲得して幕を終えた。
日本にとっては悔しくもあるが、中国が2位を獲得した。これは中国のアスリート強化政策が功を奏している証拠であり、日本はこのままではいけない、ということの表れなのかもしれない。
決勝レースの結果はこちら。イギリスは途中棄権、アメリカは失格に終わった。
4×100m男子リレー決勝のレースの動画はこちらからどうぞ。
予選結果とランキング(予選レース後に更新)
【予選1組】
50km男子競歩の谷井選手の銅メダルに続いて、メダルが期待された男子4×100mリレー。
日本は、予選1組の第7レーンでの出走となった。
同組のアメリカは予選からガトリンが出場した。
良いスタートを切った日本は、アメリカに次ぐ2位前後をキープしていたが、3走(長田)⇒4走(谷口)のバトンタッチでもたついてしまい、38秒60で4着フィニッシュとなり、予選2組の結果を待つ形となった。
【予選2組】
世界記録を持つジャマイカは、ボルトを予選では温存したが、断トツの1位(37秒41)となった。2組は5位のカナダが38秒03という日本記録と同タイムで、ハイレベルな戦いとなった。
日本人期待の16歳、サニブラウンが決勝ではアンカー出走すると期待されたが、日本は決勝進出とならなかった。。。
予選のタイムは以下のとおりだ。
日本人選手レース後のコメント(予選レース後に更新)
大瀬戸:『日本が決勝に進出できなかった中、予選2組の中国がエリアレコードを出している。ここで勝負できなかったのは自分たちの弱さかなと思います』
藤光:『走れなかった高瀬の分までと思っていたが、メンバーが直前で入れ替わる中で、戦えなかったという点も実力不足であったのかと思います。』
長田:『僕のところまで良い形できていたと思うんですが、ちょっとミスが出てしまって、予選落ちとなってしまい、まだ整理し切れていないです。』
谷口:『僕のミスでふがいない結果になってしまったので、申し訳ないです。応戦してくださった皆さんに感謝の気持ちを表したいです。』
藤光:(日本のキャプテンとして一言)『まだまだ今後に向けて他の種目も含めてレベルの低さを感じたので、もう一回力をつけ直してこないと戦えないんだなぁということを改めて感じたので、鍛えなおしてきたいと思います。』
そして、スタジオに戻り織田裕二:
『うーん、悔しい。やっぱり三着に入らないとダメですね。タイムで拾われる時代はもう終わりにしよう。特にトラックレベルは一段と上がりましたね。皆若いですから、サニーにも走らせてあげたかったけど、しょうがないですね』
出走各国の今季ベストタイム
予選は各組8カ国が走り、上位3位+タイム順で2位までの計8カ国が決勝に進出する。
今季ベストタイムを見れば、以下の順位になる。
- 1位:アメリカ
- 2位:ジャマイカ
- 3位:アンティグア・バーブーダ
- 4位:日本
本日の予選の結果を見る限りは、ボルトを温存したジャマイカが圧倒しそうな予感がする。
また、今季タイム3位のアンティグア・バーブーダは聞きなれない国だが、以下の赤色マークのついた小さな島国だ。
アメリカの南のカリブ海東部、小アンティル諸島に位置するアンティグア島、バーブーダ島、レドンダ島からなる国家である。
何より、人口8万人だけしかいない国家から、これだけのタイムを出すアスリートが4名もそろったことに驚きだ。日本が決勝に出場できなくなったので、私はこの小国を応援した。
以下、世界陸上北京大会前の、各国の今季ベストタイムだ。
【予選1組】
レーン | 国 | 今季ベスト |
3 | ウクライナ | 38秒95 |
4 | ブラジル | 38秒63 |
5 | ドイツ | 38秒48 |
6 | バハマ | 39秒32 |
7 | 日本 | 38秒20 |
8 | アメリカ | 37秒38 |
9 | イギリス | 38秒21 |
【予選2組】
レーン | 国 | 今季ベスト |
3 | 南アフリカ | 39秒44 |
4 | ジャマイカ | 37秒68 |
5 | オランダ | 38秒73 |
6 | フランス | 38秒34 |
7 | アンティグア
バーブーダ |
38秒14 |
8 | 中国 | 38秒74 |
9 | カナダ | 38秒33 |
200m準決勝まで躍動したサニブラウン選手のプロフィール、レースの動画は
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100m男子決勝のタイム、レースの動画は
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200m男子決勝のタイム、レースの動画は
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